あさりやしじみなどの貝類の砂抜きは通常、塩を使用する方法が一般的に知られています。
しかし、あさりの砂抜きに片栗粉を加えると良いとのこと!
これは、あさりが片栗粉を摂取することで身がふっくらし、ジューシーになるからだそうです。
通常の砂抜きに片栗粉をプラスするだけで、非常に簡単ですね。
ここではあさりの砂抜きに片栗粉を使用する方法や、砂抜きを成功させるためのポイントについても解説します。
あさりの砂抜きに片栗粉がいいのなぜ?
「ためしてガッテン」で取り上げられた情報によれば、砂抜きの際に片栗粉を一緒に加えると、あさりが片栗粉をエサにして身がふっくらとするそうです。
この方法では、通常の塩分のみよりも、アミノ酸の量が5倍アップし、うま味を感じさせる成分も4割増加するとのことです。
片栗粉を使った砂抜きは、いつもの手順に簡単に追加できるため、ぜひ試してみる価値がありそうですね!
さらに、スーパーで購入したままをそのまま冷蔵庫に入れると、あさりが疲れて痩せてしまうとのこと。なるべく早く砂抜きを行うことがおすすめです。
片栗粉を加えた砂抜きの方法
あさりの砂抜きの分量は以下です。
分量
- あさり 適量
- 塩水 3%濃度のもの
- 片栗粉 大さじ1
手順
1:あさりを片栗粉を含ませた塩水に漬けます。片栗粉が底にたまりやすいので、混ぜながら丁寧に漬けましょう。
2:漬ける容器には新聞紙などで蓋をして、暗さを保つようにします。あさりは通常砂に潜って生息しているため、暗い場所が安心とされています。従って、どんなものでも構いませんが、暗い状態にすることが重要です。
3:水温はあまり冷たくならないように気をつけましょう。夏場でも、冷蔵庫ではなく冷暗所に保管すると良いです。
4:調理の前には軽く洗い、殻同士をこすり合わせても問題ありません。
意外と多いあさりの砂抜き失敗談
砂を吐いてくれない。
最も一般的な失敗エピソードの一つではないでしょうか。
塩水に漬けているにもかかわらず、貝は堅く口を閉ざしたまま、まるで砂を吐いてくれない…
「もしかしたら死んでしまったのかもしれない!?」
と心配になった方もいるでしょう。
しかし、貝が口を閉じているのは、生きている証拠です。
丁寧に計量して作った食塩水に浸しているにもかかわらず、口を閉じている場合は水が冷たすぎて驚いている可能性が高いです。
貝は非常に臆病な生物なので、15~20℃の適切な温度の水を用意してあげましょう。
また、水の量が多すぎても砂を吐きにくいので、アサリの上1センチくらいが最適です。
食べた時に砂が残っている
砂抜き済みのあさりを料理して、実際に食べてみると、「じゃり!」と砂を噛んでしまった経験がありますね。
「砂抜きはしっかりやったはずなのに、どうしてこんなことに!?」
こうした経験をされた方も多いようです。
実は、砂抜きをして、あさりの内部の砂を吐き出させるだけでは十分でない場合があります。
砂はあさりの内部だけでなく、あさりと貝殻の間にも存在します。
2時間ほど経ったら、塩水を一度入れ替えるか、砂抜きをした後、あさりを軽く水ですすいでから調理すれば、食べる際に砂を噛む割合もだいぶ減るでしょう。
また、あさりが重なっていると、吐き出した砂を他の貝が吸い込んでしまうことがあるため、あさり同士が重ならないように注意することも大切ですよ。
異臭がする
あさりの砂抜きをしてしばらく経った後、異臭が漂っていることに気づきました。
「加熱すれば臭いは消えるかな?」と考え、調理してみたものの、やはり強烈な臭いが漂います。
このような経験をされたことはありませんか?
強い臭いが発生する原因は、あさりが死んでしまったことによるものです。
あさりが死ぬと、口を開いたままで触っても口を閉じなくなります。浸けていた水が白く濁り、特有の強烈な異臭がします。
あさりが死ぬ原因は、鮮度や温度、食塩水の濃度などが挙げられますが、一匹が死ぬと他の貝も急速に死んでしまう可能性があるため、注意が必要です。
死んだあさりは食中毒のリスクがあるため、摂取しないようにしましょう。
砂抜き後にざるに上げた際に口が開いたままのものは死んでいる可能性が高いため、避けて食べないようにしましょう。
あさりの砂抜きで失敗しない方法とは?
では、あさりの砂抜きでの成功のためにはどうすれば良いのか、今から確実に成功する方法をご紹介いたします!
準備
まず、砂抜きをする前に準備する物があります。
〈準備物〉
・塩水
・網付きバット
・新聞紙
・箸
まず、塩水ですが、だいたい海水と同じくらいの塩分濃度にしようと思うと、約3パーセントくらいが良いと言われています。
具体的に言うと、だいたい水500mlに対して塩大さじ1杯ほどですので、これを参考にしてみてくださいね。
また、ボウルに入れるよりも、食器洗いかごのようなバットを使用することをお勧めします。
平らにゆったりと配置できるので、酸素が行き渡りやすくなり、貝も砂を吐き出しやすくなります。
さらに、ザルに入れることで砂が落ちるため、貝が吐いた砂を再び吸い込むことを防ぐことができます。
砂抜きのやり方
1:軽く洗ったあさりをバットに入れ、あさりの部分が半分くらい水面に顔を出すようにして、塩水の量を調整して入れます。この際、塩水の温度は20℃前後が良いでしょう。
2:箸を使ってバットにかぶせ、上に新聞紙を敷きます。スーパーで購入した場合は1時間以上、潮干狩りで採った場合は約3時間はそのまま置いておきましょう。
※できれば、約2時間後には水を取り替えると良いでしょう。
3:砂抜きが終わったあさりの表面を水で洗い流せば完成です。
気を付けるポイント
塩分濃度
塩分が不足すると、あさりが死ぬ原因になります。味見して「少し塩味があるかな?」ぐらいがベストです。
水温
水が寒すぎると、あさりが驚いて砂を吐き出してくれません。元の海水と同じくらいの20℃ほどの温度にすると、リラックスして砂を良く吐き出してくれます。
水の量
水の量はあさりの顔が半分ほど出るくらい。完全に浸からない方が、良く吐き出します。
明るさ
あさりは夜行性で、海中の砂の中で活動しています。明るすぎる場所では呼吸しないため、砂抜きが失敗する原因になります。必ず新聞紙やアルミホイルで覆いましょう。
あさりの砂抜きで口が開かない原因
あさりが口を開かない原因はいくつかあります。
砂抜きの時に明るい場所に置いた
あさりは警戒心が強い生物です。通常、砂の中に潜んでいるため、砂抜きの際は明るい場所を避けましょう。
暗い場所がない場合は、上から新聞紙を被せるなどして環境を暗くする工夫をしましょう。
水温が低い
水温が極端に低かったり高かったりすると、あさりの活動が低下し、口を開かなくなります。適切な水温は20度前後ですので、それを下回らないよう、またはそれを上回らないようにしましょう。
塩分が少ないまたは多い
塩分濃度が少なすぎても多すぎてもあさりは砂をはいてくれません。海水と同じ3%の塩分濃度になるようにしましょう。
水の量が多すぎ
あさりが完全に浸かる水の量は過剰です。貝の頭が少し出るくらいの水の量に調整しましょう。そのためにも、前述したようなバットの使用が適しています。
死んでしまっている
他のあさりが口を開いているのに、特定のあさりだけ口が開いていない場合、そのあさりは死んでいる可能性があります。
また、口が開いているあさりと開いていないあさりを叩いて音を比べると、異なる音がすることがあります。この方法を試してみてください。
あさりが生息している環境に近い条件を整えてみましょう。
あさりの砂抜きの時短方法
あさりの砂抜きは時間がかかり、手間がかかると思われがちですが、実はもっと簡単で短時間で行える方法があります。今からその秘訣を紹介しましょう!
あさりの砂抜きの時短は50度のお湯!
ますます、あさりを少し温かいお湯(約50℃)に入れ、殻同士をこすり合わせます。
5〜10分ほど経つとお湯が濁ってきて、砂が徐々に出てくるでしょう。
余裕がある場合は20分ほど浸けるとより効果的です。
その後、よくもみ洗いをし、お湯を捨てます。
これを3、4回繰り返せば、砂抜きが完了です!
非常に簡単ですね!
ちなみに、このプロセスであさりの口が約3mm開いていることがありますが、これは苦しみから砂を吐き出した証拠であり、心配はいりません。
通常、数時間かかるあさりの砂抜きも、この方法では10〜20分程度で済むため、かなりの時間短縮になります。
さらに、食塩水を用意する手間も省けるので、非常に手軽ですよ。
気を付けるポイント
あさりの砂抜きにお湯を使用する際の要点は、「50℃」のお湯の温度です。
温度が低すぎると砂抜きが効果的に行われず、逆に高すぎるとあさりが死んでしまいます。
温度計があれば正確ですが、ない場合は沸騰したお湯と冷水を1:1で混ぜて使用すると良いです。
お湯を注いだときにあさりがちょうど良い感じで顔を出すくらいが適切ですので、様子を見ながら調整してください。
あさりの砂抜きの保存は冷蔵庫?
あさりの砂抜き時に、冷蔵庫での保管が良いのかと疑問に思うことがあるでしょうが、基本的には常温で問題ありません。
ただし、夏季などで部屋が暑い場合は、冷蔵庫に入れておく方が良いでしょう。
あさりの適温は15度から20度なので、その温度になるように調整しましょう。
冷蔵庫で一晩保管しても構いませんが、注意が必要です。冷蔵庫内はあさりにとって寒すぎて活動が鈍ります。そのため、砂抜きには時間がかかる可能性があります。
まとめ
初めて見ると難しそうなあさりの砂抜きですが、ポイントを押さえれば、だれでも簡単に成功できます。
あさりはお味噌汁やスープに使うのはもちろんのこと、酒蒸しやパスタにもアレンジして楽しむことができます。
巧みな砂抜きの方法を覚えて、美味しいあさり料理を楽しんでみましょう!